エンゼルケアと死後処置の違いとは?目的・内容・看取り後の流れ

エンゼルケアと死後処置の違いとは?目的・内容・看取り後の流れを徹底解説

大切な方がお亡くなりになった後、「エンゼルケア」「死後処置」という言葉を耳にし、その違いや内容がわからず不安に感じていませんか?

今回は、故人様の尊厳を守るエンゼルケアと、衛生管理を目的とする死後処置の明確な違いを、目的や内容、看取り後の流れに沿って詳しく解説します。

最後までお読みいただくことで、ご逝去からご安置までの手続き全体を理解し、落ち着いて故人様をお見送りするための知識を得ることができます。

1. エンゼルケアとは 故人の尊厳を守るためのケア

1. エンゼルケアとは 故人の尊厳を守るためのケア

エンゼルケアとは、お亡くなりになられた方に対して行われる、死後のケア全般を指す言葉です。

単なる医療的な処置やご遺体の衛生管理だけでなく、故人様が生前と変わらない、その人らしい穏やかなお姿で旅立てるように整えることを最大の目的としています。

長い闘病生活や不慮の出来事により、お顔の様子が変わってしまったり、お体に治療の跡が残ったりすることがあります。

エンゼルケアを施すことで、そうした変化を和らげ、安らかな表情を取り戻すお手伝いをします。

これは、故人様の尊厳を守るために非常に大切なプロセスです。

1.1 エンゼルケアの主な目的

エンゼルケアには、主に3つの大切な目的があります。

これらは故人様のためだけではなく、残されたご家族にとっても重要な意味を持っています。

1.1.1 1.故人の尊厳を守る

エンゼルケアの最も根幹にある目的は、故人様の尊厳を守ることです。

全身の清拭や整髪、爪切り、そして穏やかな表情を演出するエンゼルメイクなどを通じて、生前の元気だった頃のお姿に近づけ、最後までその人らしくいられるように整えます。

これにより、故人様は尊厳を保ったまま、安らかに旅立つことができます。

1.1.2 2.ご遺族の心のケア(グリーフケア)

大切な方を亡くされたご家族の悲しみは計り知れません。

エンゼルケアは、そうしたご家族の心を癒す「グリーフケア」の役割も担っています。

故人様が安らかで美しいお姿になることで、ご家族は「きれいな顔で見送ってあげられた」「最後までしっかりケアできた」という気持ちを持つことができ、それが深い悲しみの中での心の支えとなります。

穏やかなお別れの時間は、ご家族が故人様の死を受け入れ、前へ進むための大切なプロセスとなるのです。

1.1.3 3.衛生的な配慮と感染症の予防

ご遺体を清潔に保ち、感染症を予防することも重要な目的の一つです。

ご遺体から体液が漏れ出ることなどを防ぐ処置を行い、ご家族やご遺体に触れるすべての方が安心して故人様との最後の時間を過ごせるように配慮します。

1.2 エンゼルケアの具体的な内容

エンゼルケアの内容は、病院や施設の方針、ご家族の希望によって異なりますが、一般的には以下のようなケアが行われます。

ご家族がケアの一部に参加することも可能です。

ケアの項目具体的な内容
全身の清拭(せいしき)お体を温かいタオルなどで優しく拭き、清潔にします。 乾燥を防ぐために保湿も行います。
口腔ケアお口の中をきれいにし、乾燥を防ぎます。表情を整える上でも重要です。
整容髪を整え、男性の場合は髭を剃ります。爪切りなども行います。
着替えご家族が用意した服や、故人様がお気に入りだった服などに着替えさせます。
エンゼルメイク(死化粧)顔色を自然に見せるためのファンデーションや、口紅などで血色を補い、生前の穏やかな表情に近づけます。
医療器具の取り外しと処置点滴のルートやカテーテルなどを取り外し、その跡を目立たないように処置します。

これらのケアを通して、故人様は安らかで尊厳あるお姿となり、ご家族は心穏やかに最後のお別れの時間を過ごすことができるのです。

2. 死後処置とは 衛生と安全を確保する医療処置

2. 死後処置とは 衛生と安全を確保する医療処置

大切な方がお亡くなりになった直後、ご遺体に対して行われる処置にはいくつかの種類があります。

その中でも「死後処置」は、故人様のお体を衛生的に保ち、ご遺族や関係者の安全を守るために行われる、非常に重要な医療的な処置を指します。

時間の経過とともにご遺体には様々な変化が起こりますが、適切な処置を施すことで、その変化を緩やかにし、穏やかなお別れの時間を確保することにつながるのです。

死後処置の最も大きな目的は、感染症のリスクを防ぎ、ご遺体の衛生状態を保つことです。

ご遺体から体液が漏れ出たりすることを防ぎ、ご遺族や医療・介護スタッフ、葬儀社の担当者など、故人様に関わるすべての方の安全を守るために行われます。

このように、死後処置は公衆衛生の観点からも極めて重要な役割を担っています。

2.1 医療行為として行われる具体的な処置内容

死後処置は、主に医師や看護師などの医療従事者によって、医学的な知識と技術に基づいて行われます。

具体的にどのようなことが行われるのか、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。以下に、一般的な処置の内容とその目的をまとめました。

処置項目主な目的具体的な内容
医療器具の抜去と処置感染予防・外見を整える点滴のルートやカテーテルなどを抜き、抜去した部分からの体液漏出や感染を防ぐために、ガーゼなどで保護や縫合を行います。
全身の清拭(せいしき)身体の清潔保持アルコールやお湯を含ませた布で、お体全体を丁寧に拭き清めます。 これにより、身体を清潔に保ち、尊厳を守ります。
詰め物(綿詰め)体液・排泄物の漏出防止口腔、鼻腔、耳、肛門などに脱脂綿を詰めて、体液や排泄物が外に漏れ出るのを防ぎます。
冷却処置腐敗進行の抑制ご遺体の腐敗の進行を遅らせるため、腹部などを中心にドライアイスを当てて冷却します。

これらの処置は、故人様のお体の状態や状況に応じて、必要なものが選択されます。

死後処置は、あくまでも医療的な観点から行われる処置であり、故人様の尊厳を守りながら、ご遺族が安心して故人様と対面できるようにするための大切なステップなのです。

2.2 誰が実施するのか?

死後処置は、前述の通り医療的な処置を含むため、原則として医師や看護師などの医療従事者が行います

病院やクリニックでお亡くなりになった場合は、その施設の看護師が担当することが一般的です。

在宅医療を受けていた場合などは、訪問看護師が対応することもあります。

これらの処置は、感染症のリスク管理など専門的な知識と技術を要するため、専門家である医療従事者に任せるのが基本となります。

3. 【比較表】エンゼルケアと死後処置の目的・内容・実施者の違い

3. 【比較表】エンゼルケアと死後処置の目的・内容・実施者の違い

エンゼルケアと死後処置、言葉は似ていますが、その目的や内容は大きく異なります。

どちらも故人様のために行われる大切なものですが、その違いを理解することで、より深く故人様を想い、お見送りの時間を過ごすことができます。

ここでは、両者の違いを分かりやすく比較しながら、詳しく解説していきますね。

項目エンゼルケア死後処置
目的故人の尊厳を守り、生前のような安らかな姿に整えること。ご遺族の心のケアも含まれる。ご遺体の衛生的な管理と、感染症の予防を主とする医療的な処置。
内容清拭、着替え、整髪、保湿、死化粧(エンゼルメイク)など、外見を整えるケアが中心。医療器具の抜去、傷の手当て、口腔ケア、排泄物の処理、体液漏出の防止措置など。
実施者看護師、介護士、葬儀社のスタッフ、専門のエンゼルケアリストなど。資格は必須ではない。医師や看護師などの医療従事者。医療行為を含むため専門知識が必須。

3.1 目的の違い 尊厳の保持か衛生管理か

エンゼルケアの最も大切な目的は、故人様がその人らしい安らかなお顔で旅立てるように、尊厳を守ることです。

長い闘病生活でお姿が変わってしまった場合でも、生前の穏やかな表情に近づけることで、ご遺族が心穏やかにお別れをする手助けをします。

ご遺族の悲しみを癒やす、グリーフケアとしての側面も大きいのです。

一方、死後処置は、ご遺体からの感染症を防ぎ、衛生的な状態を保つことを主な目的とした医療的な処置です。

ご遺族や医療従事者、葬儀に携わる人々を感染のリスクから守るために不可欠な対応と言えます。

3.2 内容の違い 整容か医療的処置か

エンゼルケアの内容は、故人様のお体を清潔にし、外見を整えるケアが中心となります。

具体的には、お体を拭き清める「清拭(せいしき)」、お好みの服やお元気な頃に着ていた服への「お着替え」、髪を整え、必要に応じて薄化粧を施す「エンゼルメイク」などが含まれます。

これは、生前のお元気だった頃のお姿に近づけるためのケアと言えるでしょう。

対して死後処置は、医学的な観点から行われる処置が主です。

点滴やカテーテルといった医療器具の抜去、治療による傷口の手当て、口腔内のケアや排泄物の処理などが行われます。

これらはご遺体の状態を安定させ、衛生的に保つために必要な医療行為です。

3.3 実施者の違い 看護師か専門スタッフか

誰がケアを行うか、という点にも違いがあります。

エンゼルケアは特別な資格が必須ではないため、病院の看護師だけでなく、葬儀社のスタッフや、専門のエンゼルケアリスト、納棺師など、幅広い専門家が対応します。

ご遺族の希望に寄り添いながら、時間をかけて丁寧に行われることも少なくありません。

それに対して死後処置は、医療器具の取り外しといった医療行為を含むため、原則として医師や看護師などの医療従事者によって行われます。

病院やクリニックなどの医療機関で、ご臨終の直後に行われるのが一般的です。

4. ご逝去から安置まで 看取り後の流れを3ステップで解説

4. ご逝去から安置まで 看取り後の流れを3ステップで解説

大切な方がお亡くなりになった直後は、深い悲しみの中で様々な手続きを進めなければなりません。

ご家族の皆様が少しでも落ち着いて故人様とのお別れの時間を過ごせるよう、ここではご逝去からご遺体を安置するまでの一般的な流れを3つのステップに分けて、分かりやすく解説いたします。

いざという時に慌てないためにも、ぜひご一読ください。

4.1 ステップ1 死亡診断と葬儀社の手配

病院やご自宅で医師に臨終を告げられた後、最初に行うべきことは「死亡診断書」の受け取りと「葬儀社」の手配です。

まず、医師が死亡の確認を行い、「死亡診断書」が発行されます。

死亡診断書は、役所への死亡届の提出や火葬許可証の申請、保険金請求など、この後のあらゆる手続きで必要になる非常に大切な書類です。 

必ず受け取り、紛失しないよう大切に保管しましょう。

手続きのために複数枚コピーしておくと安心です。

次に、ご遺体を搬送し、葬儀の準備を進めてくれる葬儀社を手配します。

もし事前に葬儀社を決めている場合は、速やかに連絡を取りましょう。

決まっていない場合、病院が提携している葬儀社を紹介してくれることもありますが、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも可能です。

葬儀社へ連絡する際は、以下の内容を伝えるとスムーズです。

葬儀社に伝える主な内容

  1. 故人様のお名前
  2. お迎えにあがってほしい場所(病院名・住所など)
  3. 連絡者のお名前と連絡先
  4. ご遺体の搬送先(ご自宅や安置施設など)

4.2 ステップ2 死後処置とエンゼルケアの実施

ご逝去後、ご遺体を搬送する前に、故人様のお体を清らかに整えるための処置が行われます。

これには「死後処置」「エンゼルケア」が含まれます。

病院で亡くなられた場合、まずは看護師によって医療的な死後処置が行われます。

これは、点滴やカテーテルといった医療器具を取り外し、ご遺体を衛生的に保つための処置です。

その後、エンゼルケアが行われます。エンゼルケアは、お体をきれいに拭き清める「清拭(せいしき)」や、髪を整え、必要に応じて薄化粧を施す「整容」など、故人様が生前と変わらない安らかなお姿で旅立てるように整えるケアです。

これは看護師だけでなく、ご遺族の希望に応じて、駆けつけた葬儀社のスタッフが行うこともあります。 

故人様の尊厳を守り、ご遺族が穏やかな気持ちでお別れをするための、心を込めて行われる大切な時間です。

4.3 ステップ3 ご遺体の搬送と安置

死後処置とエンゼルケアが終わると、手配した葬儀社の寝台車でご遺体を安置場所へと搬送します。

日本の法律(墓地、埋葬等に関する法律)では、亡くなられてから24時間が経過しないと火葬・埋葬ができないと定められています。 

そのため、通夜や葬儀までの間、故人様のお体を適切に保管する「安置」が必要となります。

主な安置場所には「ご自宅」「斎場・葬儀社の安置施設」があり、それぞれに特徴があります。

安置場所特徴・メリット注意点・デメリット
ご自宅住み慣れた家で、時間を気にせずゆっくりとお別れができます。ご遺体を安置するスペースの確保や、室温管理(エアコン等)が必要です。マンション等の集合住宅では規約の確認が必要な場合もあります。
斎場・葬儀社の安置施設専門スタッフが温度管理などを含め適切に管理してくれるため安心です。 ご遺族の負担が軽減されます。面会時間に制限が設けられている場合があります。 また、施設利用料がかかります。

ご自宅で安置したいというお気持ちや、ご遺族の状況などを考慮し、最適な場所を選びましょう。

葬儀社のスタッフが親身に相談に乗ってくれますので、不安な点は遠慮なく質問してみてください。

5. よくある質問(Q&A)

エンゼルケアと死後処置の違いは何ですか?

死後処置は、感染症予防やご遺体の衛生管理を目的とした医療的な処置(医療器具の抜去や詰め物など)で、主に医療従事者が行います。

一方エンゼルケアは、故人様の尊厳を守り、生前のような安らかなお姿に整える(お着替えや死化粧など)ケア全般を指し、ご遺族の心のケアの役割も担います。

エンゼルケアでは、具体的にどのような流れでケアが行われるのでしょうか?

ケアの一般的な流れとして、まずは全身の清拭やお口のケアから始まり、髪を整えたり髭を剃るなどの整容を行います。

その後、ご用意いただいたお気に入りのお洋服などへのお着替えや、顔色を自然で穏やかな表情に整えるエンゼルメイク(死化粧)が行われ、安らかなお姿へと導かれます。

看取り後の流れとして、死後処置やエンゼルケアには家族も参加できますか?

医療行為である死後処置は医療従事者が行いますが、その後のエンゼルケアについては、ご希望によりご家族が参加することも可能です。

お体を拭いたりお着替えを手伝ったりすることは、ご遺族が故人様の死を受け入れ、心を整理するための大切な時間にもなります。

ぜひスタッフへご相談ください。

6. まとめ

エンゼルケアと死後処置の違いとは?目的・内容・看取り後の流れを徹底解説

今回はエンゼルケアと死後処置の違い、そして看取り後の流れについて解説しました。

エンゼルケアは故人の尊厳を守り生前の姿に近づけるためのケア、死後処置は感染予防など衛生面を目的とした医療処置です。

この違いを理解しておくことは、故人様らしいお姿で、穏やかにお見送りするためにとても大切になります。

大切な方とのお別れで不安なことも多いかと存じます。

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